12月5日に中国の公式訪問を終えて帰国したマクロン大統領はレゼコー紙とのインタビューの中で、欧州連合(EU)・中国間貿易について、中国側が大幅黒字の削減に向けて何のアクションも起こさなければ、欧州連合(EU)は、トランプ米政権に倣って向こう数ヵ月以内に中国産品に関税をかけるなどの力強い措置を導入することを余儀なくされるだろうと言明した。中国の対EU貿易黒字は昨年に3000億ユーロを超えており、大統領によると、中国は工作機械・自動車を基盤としてきたEUの産業とイノベーションのモデルを直撃しており、さらに、トランプ関税で米国市場への行き場をなくした中国製品がEU市場に大量に流れ込んで状況を悪化させている。
大統領は、貿易不均衡を正すには、EU側も競争力強化に向けた政策を実行し、中国側も関税障壁を減らして市場を開放するなど、双方の取り組みが必要であると強調。さらに、かつて欧州企業が中国への投資を進めたように、今度は中国企業が欧州に投資する番だと力説した。分野としてはバッテリー、リチウム精製、風力発電、太陽光発電、電気自動車、ヒートポンプ、電化製品、リサイクル技術、産業用ロボット、先端部品などを挙げつつ、中国の投資がEU産業を駆逐し、新たに依存を生み出すようなことがあってはならないと釘を刺した。
こうしたマクロン大統領の主張とは裏腹に、EU諸国が共同戦線を張るのは現状では難しい。それは大統領も認めており、多くの企業が中国に進出しているドイツとは完全には見解が一致していないと述べた。