独リドル(食品小売)はこのほど、フランスにおけるテレビ広告の出稿を全廃すると発表した。同社は規制が厳しすぎると問題視しており、テレビ広告をやめてデジタル広告に注力すると説明している。テレビ局は重要な広告主を失うことになる。
リドルは去る7月に、テレビ広告を巡る訴訟でパリ高裁にて敗訴。同業アンテルマルシェの訴えが認められ、リドルは4300万ユーロの損害賠償の支払いを命じられた。問題となったのがリドルによるテレビ広告で、セール品の広告を行ったことが違法と認定された。フランスの法令では、店頭在庫を15週間に渡り維持される製品でなければ、テレビ広告を打つことが禁止されている。
報道によると、リドルはフランス事業で2023年と2024年に2年続いて赤字を出しており、テレビ広告の打ち切りは経費節減という意味もある。仏テレビ業界にとっては、広告投資で仏第2位、2024年に2億700万ユーロのテレビ広告(カンター調べ)を行った広告主を失う打撃は大きい。テレビ広告の業界団体ADMTVは、フランスのテレビ広告が、オンライン動画広告と比べて過剰な規制の対象となっていると主張。フランスでは、セール品規制のほか、店舗の住所を広告にて表示できないなどの制約がある。これらは本来、ラジオ・地方紙の広告スペースをテレビ広告から保護するのが目的の規制だが、現在では、テレビ広告が、そのような規制を受けないデジタル広告に対して著しく不利になっていると業界側では問題視している。テレビ広告収入は2025年1-9月期に前年同期比で7.2%減を記録。対してデジタル広告収入は9%増を記録しており、明暗が分かれている。