南西地方に位置するブランヌ市(ジロンド県)で88歳の男性が自宅で殺害される事件があった。被害者と不動産売買契約を結んでいた男が計画殺人容疑で訴追されることが決まった。 事件は1月20日に発生。レオン・スタブロさん(88歳)が自宅内の階段下に倒れて死んでいるのを、訪れた近親者が発見して警察に通報した。警察は、血痕をふき取った跡が別の場所にあるなど、現場に不自然な点が多々あることから、殺人の疑いで捜査を開始。スタブロさんと不動産売買契約を結んでいたジョアン・B(38歳)男性を事情聴取の上で、22日に容疑者認定を行い、勾留継続を決定した。
フランスには、「ビアジェ」と呼ばれる不動産売買契約があり、被害者と加害者は2023年にこの契約を結んでいた。住宅所有者が、居住を続けたままで住宅の所有権のみを譲渡するというもので、購入者は、旧所有者が存命中の間、取り決めた金額を月々の支払いの形で納めて、死去後に物件を用益権と共に全面的に確保することになる。ジョアン・B容疑者は、月額900ユーロの支払いを約束していたが、失業中につき支払いに困難を来していた模様で、今回の犯行を思い立ったとみられる。容疑者は取り調べに対して、数ヵ月前から殺人の構想を練っていたことを認めており、当局は「計画殺人」での容疑者認定を決めた。
「ビアジェ」絡みの殺人事件はこれが初めてではない。フランスでは2020年に東北地方で発生した事件で、禁固30年の有罪判決が2025年に下っており、それ以外にも似たような事件が散発的に発生している。同様の制度があるベルギーでも2017年に同様の事件があり、禁固25年の有罪判決が下っている。