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クレティンスキー氏、FNACダルティへの友好的TOBを予告

チェコの実業家クレティンスキー氏が出資先の仏FNACダルティに友好的TOBをかけることを決めた。1月26日に発表され、同社株価は同日終値で17%を超える上昇を記録した。

FNACダルティは、家電や電子製品、書籍・DVDなどを販売する仏大手企業。クレティンスキー氏は傘下の持株会社EPグループを経由して、2021年にFNACダルティに出資。現在は28.5%株式を保有する筆頭株主となっている。FNACダルティについては、21.9%株式を保有する独同業Ceconomyが中国のJD.comに買収されることになっており、重要企業が中国資本の下に入ることを警戒する声が出ていた。仏政府はJD.comと協議の末に、出資率を引き上げず、経営に関与しないとする言質を取り付けていたが、クレティンスキー氏は、いわゆる「ホワイトナイト」の立ち位置で、FNACダルティの取締役会に買収話を持ち掛けた。取締役会は25日に全会一致で提案を承認し、26日朝に発表がなされた。

クレティンスキー氏は、1株36ユーロでの買収を提案。これは、直近株価比で19%、直近3ヵ月間の平均株価比では26%高い金額となる。この価格での評価額は11億ユーロに上る。クレティンスキー氏は50%を超える株式の確保をTOB成功の条件として設定。2億3000万ユーロ以上をこの買収に投じることになる。TOB後に取締役会の構成は出資率にあわせて見直される。3月末までにTOBを開始する予定。主要株主であるCeconomyと、ファンド系株主の仏ICG(10.2%)及び西Cobas(5%)がどのような反応を示すかが注目される。

FNACダルティは足元で業績が足踏みしている。今回のTOB予告に伴い発表された2025年業績(監査前)は、売上高が前年並み103億ユーロ、経常利益が微増の2億300万ユーロで、本国フランスでは減益となっている。FNACダルティはこの機会に、傘下の「ナチュール&デクベルト」(アウトドア用品や科学グッズなど販売)を売却する方針を明らかにしており、同社を連結から外した。

KSM News and Research