欧州連合(EU)の統計局が2月4日に公表した速報値によると、ユーロ圏の1月のインフレ率は前年同月比で1.7%となり、昨年12月から0.3ポイント低下して、欧州中央銀行(ECB)が目標とする2.0%を下回った。これは、2024年9月以来最低の水準。
内訳を見ると、特にエネルギーで前年同月比マイナス4.1%(12月はマイナス1.9%)と価格低下が目立った。ただし、1月の低下はベース効果によるところが大きい。サービスも3.2%(12月は3.4%)と若干ではあるが減速しており、価格圧力が緩和していると考えられる。他方、非エネルギー工業製品は0.4%(12月は0.3%)と、物価上昇がわずかに加速した。
エネルギーと食品・アルコール・タバコを除いたコアインフレ率は12月から0.1ポイント低下して2.2%となった。
また、2月3日発表のINSEE速報によると、仏の1月のインフレ率は前年同月比で0.3%(昨年12月は0.8%)となり、2020年末以来の低い水準を記録した。これは、冬季バーゲンセールに伴い、衣料品・靴を中心とする工業製品価格が下落したことが主な理由。今年は、1月のデータ収集期間中のバーゲンセール日数が18日間と昨年の13日間よりも多かったことも影響した。さらに、診察料の引き上げ幅が昨年に比べて限定的だったことにより、サービス価格の上昇率も1.8%(12月は2.1%)まで鈍化。エネルギーはマイナス7.8%(12月はマイナス6.8%)となり、価格の下落が続いた。原油価格が低い水準で推移していることと、対ドルでのユーロ高が要因。他方、食料品のインフレ率は12月の1.7%から1月は1.9%へと加速している。生鮮食品価格の上昇が影響した。 他のユーロ圏主要国の1月のインフレ率(EU基準インフレ率)は、ドイツが2.1%、イタリアが1.0%、スペインが2.5%となっている。インフレ率が3-4%と高い水準で推移してきたオーストリアでも、1月は2.0%と12月の3.8%から大幅に減速している。