2月6日発表の仏税関統計によると、仏貿易収支は2025年に692億ユーロの赤字となった。トランプ関税の導入にもかかわらず赤字幅は前年の791億ユーロから縮小した。輸出額は前年比2.5%増の6147億ユーロ、輸入額は同0.7%増の6839億ユーロ(CIFベースでは7036億ユーロ)だった。
貿易赤字は、エネルギー価格の高騰を背景に、2022年に1617億ユーロと過去最高を記録した。その後は縮小傾向にあるものの、今もコロナ禍前の水準を引き続き100億ユーロ以上上回っている。
2025年の貿易赤字縮小には、▽原油・ガス価格の低下と対ドルのユーロ高、電力輸出の拡大に伴うエネルギー貿易収支の改善、▽国内生産台数増加に伴う自動車貿易収支の改善、▽エアバスの引き渡し数増加に伴う航空機貿易黒字の拡大、が主に貢献した。
他方、赤字転落が危惧されていた農産物・農産加工品の貿易収支は、辛うじて2億ユーロの黒字を維持したものの、黒字幅は前年の50億ユーロから大幅に縮小し、過去25年で最低となった。農産物に限ると貿易収支は3億ユーロの赤字となった。輸出が前年比4%増加したものの、コーヒーやカカオ豆といった一次産品価格高騰の影響がそれを上回った。主要輸出品である穀物の輸出も振るわなかった。農産加工品では、中国におけるブランデーの最低価格設定やトランプ関税、ユーロ高の影響により、輸出の主力であるワイン・スピリッツが苦戦。輸出が大半を占めるコニャックの2025年の出荷量は、前年比15%減の1億4100万本、出荷額は25%減少して約22億ユーロとなった。
2025年の貿易収支を貿易相手国別に見ると、関税の影響で対米輸出が航空機を除いて前年比マイナス13%と顕著に減少。特に、ワイン・スピリッツや香水・化粧品で減少が目立った。また、対中貿易収支は、医薬品や輸送機器、衣料品などの輸入増加により赤字幅が前年の467億ユーロから500億ユーロへと拡大した。
なお、サービス貿易収支は556億ユーロの黒字となり、うち観光が202億ユーロを占めている。