白米の上にサクサクに揚げた鶏肉をのせ、甘辛のソースをかけたストリートフードのクルスティ(Crousty)が若者の間で大流行している。安く、美味しく、お腹がいっぱいになるのが受けている。ボルドーで2012年に創業した先駆けの「テイスティ・クルスティ」は、近くレアール地区に開店する店を入れてパリに4店、首都圏(イルドフランス)で11店を展開する成功ぶり。パリ11区の店には日中から夜まで若者がひっきりなしに出入りしている。フライドチキン老舗のKFCもメニューにクルスティを加えた。鶏肉を使うファーストフード店がパリ中で増えている。
1食分が10ユーロ未満で済むクルスティは、ハンバーガーやタコス、ケバブよりもお得感がある。SNS上でビデオや写真が拡散して若者を惹きつけている。販売する側にとっては、鶏肉は安価で調理しやすく原価を低く抑えられる。「テイスティ・クルスティ」には店内に食べる場所がなくテイクアウトしかないのも、収益性が高い秘訣だ。
パリで安価なストリートフードが流行る背景には、学生人口の増加がある。都市に関するパリ市の調査機関APURによると、2010年から2021年にかけてパリの人口は5%減少したが、学生数は4%増加した。2021年には20万人を超える学生がパリ市内に住んでおり、市内の住民の1割近くが学生だった。ファーストフード店は2020年から2023年の間に10%増加して4000軒を超え、レストランの約3分の1を占めるに至った。
しかし、鶏肉人気はファーストフードに限ったことではない。環境と健康への影響で牛肉離れが進む中、フランスにおける家禽肉の消費は増える一方で、2025年には1人当たりの年間消費量が3.3%増の31.7キロを記録、うち25.6キロが鶏肉だった。