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タレス、防衛ミサイルシステム「SkyDefender」をお披露目

仏タレス(防衛電子)は3月11日、オランダのヘンゲローにある子会社で、防衛ミサイルシステム「SkyDefender」のお披露目を行った。中東情勢が足元で混乱する中で、欧州独自のシステムであることをアピールする。

新システムの要となるのが、タレスの開発したコントロールシステム「SkyView」を統合した指揮システムで、SkyViewは、北大西洋条約機構(NATO)が採用しており、既に15ヵ国で展開されている。軍用AI開発のCortAIxプロジェクトを通じて開発したAIの導入により、短時間で決定を下すことができる。脅威の検知は、現状では半径2000kmの範囲内で可能で、タレスのSMART-L MMレーダーと静止衛星を組み合わせることで、弾道ミサイルの発射を含めて早期に脅威を検出できる。UHFレーダーの開発が終わると半径5000kmまで範囲が広がる。

防衛は、短距離ではタレスの軽量多目的ミサイル(LMM)やロケット弾で、中距離なら仏伊共同開発の防空システムSAMP/T(150km)で行う。タレスの360度レーダー「Ground Fire」と組み合わせることで350kmまでの捜索を実現できるという。 欧州で開発のシステムとしては、ドイツが推進する「European Sky Shield」(ESSI)がある。ドイツが開発のIris-Tを核に、米パトリオットとイスラエルのアロー3を組み合わせるものだが、フランスはこのプロジェクトには合流せず、イタリアとSAMP/Tを開発したという経緯がある。米国との関係が微妙になる中で、タレスは、欧州独自の防衛力構築という点で新システムをアピール。レーダー(ヘンゲロー又は仏リムール)、ロケット弾(ベルギーと仏国内)、LMM(英ベルファスト)など量産体制が整ったコンポーネントにより構成されている点でも優位を強調。ノルウェーのコングスベルグ、スウェーデンのサーブ、ポーランドのBGZとのコンポーネント開発の協力が進んでいることも挙げつつ、パートナーを迎えることが容易な開かれたアーキテクチャだと説明。ESSIのコンポーネントを統合して運用することも可能であり、両立を目指すことができると強調している。

KSM News and Research