リヨン裁判所は3月10日、ACIグループの清算を決定した。同社は2025年9月に会社更生法の適用下に入っていた。
ACIグループは、それまでの6年間で工業部門の小規模企業を次々に買収して成長した。同社を率いるフィリップ・リビエール氏は、国内生産を擁護する救世主のように振舞っていた。ただ、その経営には不透明な点が多々あり、資金繰りに行き詰まって、最終的に清算が決まった。
同社を構成する企業は精密機械分野の下請け業が多い。会社更生法の適用を申請した2025年9月時点で33社を数え、従業員数は合計で1330人に上った。政府は生産事業と雇用の維持を目的に、会社更生法の適用の状況を注視していた。これまでに数社の清算が決まったが、15社程度は同業の買収により救済された。この中には、サフラン(航空機エンジンなど製造)が下請け会社のMCAを買収した件も含まれる。この案件などでは雇用数が完全に維持されたが、それ以外の買収案件では一定の人員削減が伴った。特に、2025年春に買収されたグループ最大企業のアシェット&ドリウ鋳造所(オートマルヌ県サンディジエ市)では、242人の従業員のうち167人が維持された。このほか、数社の買収案件が未決で、これまでのところでは、300人が削減され、500人の維持が決まったという。未決の案件の中には、ジェイテクトが2024年4月にACIに売却したENERFLUX(従業員数185人)が含まれる。同社は、モビリティ向けのモーター用冷却システムや電動パワーステアリングなどを製造、顧客企業(MAN、ステランティス、ルノー)から2030年までの契約を確保しているが、先行きが危ぶまれている。 リビエール氏は、2025年春に米投資ファンドから8000万ユーロの資金調達を行うと予告していたが、これが失敗し、そのまま経営を立て直せなかった。同社の債務は2024年時点で5570万ユーロに上っていた。同社労組は、買収した黒字企業から運転資金を吸い取っては企業を買収するという自転車操業とも、ポンジ・スキームによる投資詐欺とも呼ぶべきやり口をリビエール氏が採用していたと非難。資金の一部をリビエール氏が着服していた疑いもあり、司法当局は会社資産乱用の疑いで捜査を開始している。