仏国内でリチウム精製を目指していたベンチャー企業Viridian Lithiumの会社清算が3月9日に決まった。裁判所が決定した。
Viridian Lithiumは、アルザス地方ロテルブール市(バラン県)にリチウム精製工場を建設する計画を進めていた。将来的に、年間50万-100万台分のEVバッテリーの需要を満たす水酸化リチウムを製造する計画で、雇用数は250人に上るはずだった。投資額は2億9500万ユーロを見込んでいた。ただ、調査段階の資金が確保できず、最終投資決定前で躓いた。 同社のプロジェクトは、欧州委員会が2025年末に選定した「RESourcEU」プランの戦略的プロジェクトにもリストアップされていた。欧州連合(EU)は、重要金属資源の対外依存の軽減を目的に、域内の採掘及び精製を支援する方針を示しているが、Viridian Lithiumの場合には、公的援助の実際の提供が間に合わず、民間投資家から資金を呼び込むことができなかった。仏政府は支援に乗り気だったが、リチウムを巡る足元の乱気流も災いし、資金確保のめどをつけることができなかった。なお、リチウム価格は、2022年に1トン8万5000ドルまで上昇したが、去る6月には1万ドルを割り込み、現在は2万ドル程度にまで回復している。技術面でも、LFP電池への注目が高まる中で、その原料となる炭酸リチウムではなく、水酸化リチウムを精製するプロジェクトだったというミスマッチもあった。欧州におけるバッテリー・ギガファクトリーの整備事業の推進の勢いが鈍っているのも逆風となった。