CRE(仏エネルギー市場規制委員会)のバルゴン委員長は3月20日、中東紛争に伴う天然ガス価格の高騰に伴い、国内の家庭用ガス料金単価が5月に約15%上昇するとの見通しを明かした。影響があるのは市場連動型の料金契約を結んでいる世帯。固定型の契約を結んでいる世帯(全体の40%)は、契約期間中は影響を受けない。
市場連動型の料金契約においては、国際卸売市場の価格が一般家庭の料金に反映されるまでに2ヵ月の時間を要するため、3月の天然ガス価格高騰の影響が及ぶのが5月となる。ただしバルゴン委員長は、ガス暖房を用いている世帯におけるガス料金の3分の2が暖房消費量に左右されるため、5月に15%単価が上昇したとしても、暖房シーズン終了に伴いガス消費量が減少することから、影響は限定的だと予測した。一方で、中東紛争が次の冬まで長引き、その時点でも価格が高水準で推移した場合には、影響が大きくなる可能性もあると指摘した。
同委員長は、ロシアがウクライナ侵攻を開始した2022年の状況と異なり、今回の天然ガス価格の上昇は電力価格に影響を与えないとも述べた。仏電力EDFの原子力発電所がフル稼働し、再エネ発電も豊富に整備されていることを根拠に挙げた。 また、仏エネルギー大手エンジーのマクレガーCEOは、カタールやアラブ首長国連邦のLNG(液化天然ガス)が主にアジアに輸出されていることを強調。欧州は主にアルジェリアと米国からLNGを輸入しており、中東のホルムズ海峡が6ヵ月封鎖されたと仮定しても、冬季前にガス備蓄率70%を達成できる見通しだと述べている。