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仏政府、アトスのエッジコンピューティング事業の買収を完了

仏政府は3月31日、アトス(情報処理)のエッジコンピューティング事業「ブル(Bull)」の完全買収を完了したと発表した。最大評価額を4億400万ユーロに設定して買い取った。
アトスは経営難を経て現在は再建途上にある。仏政府は、国家主権の維持に重要な戦略的事業と見据えて、アトス再建への協力も兼ねて、同部門の分離買収を2025年6月に提案していた。同部門は、AI向けのHPCソリューション、量子コンピューティング、核抑止力シミュレーション向けのスパコン製造などからなる。従業員数は3000人程度で、2025年の売上高は7億2000万ユーロ(前年比16%増)。去る9月には、欧州初のエクサスケールのスパコン「Jupiter」をドイツに納入。フランスでは、CEA(原子力・代替エネルギー庁)にスパコン「Alice Recoque」を供給するコンソーシアムに参加している(ほかに米AMDなど参加)。2026年末に第1フェーズの納入がひとまず完了し、2027年中に完成する予定。ブルの側では、新組織として国の傘下に入ることで、AIの進展により変化が激しい市場において、迅速に対応ができる体制が整うと説明している。同社はまた、5年後をめどに、スパコンと量子コンピュータを組み合わせたハイブリッドコンピュータの実現を計画。さらに、次世代のスパコンにおいては、欧州製部品の率を80%以上に引き上げることを目指すと説明している。
これとは別に、仏金融犯罪全国管区検事局(PNF)はこのほど、アトスを対象とする捜査の対象を広げることを決定した。アトスを巡っては、経営難への対応を巡り不正があった疑いで、2年前から、汚職の疑いでの予備捜査が進められていたが、これに、会社資産乱用の疑いが追加された。失敗に終わった事業部門売却計画に関して、当時の経営陣が不当な利益を取得した疑いなどが浮上している。検事局はまた、開示情報に虚偽があった疑いでも捜査を開始した。

KSM News and Research