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欧州委、鉄道関連の新規則案を公表:他社の乗車券販売を義務付けへ

欧州委員会は5月13日に鉄道部門を対象とする規則案を公表した。域内の国際路線に関して、鉄道事業者に競合他社の乗車券の販売も義務付けることを通じて、旅客の鉄道へのシフトを後押しすることを目指す内容。鉄道業界は指令案に強く反発している。
現在、欧州では、鉄道乗車券の販売は、そのほとんどを鉄道事業者自らが運営するプラットフォーム経由で行われている。規則案は、一つの加盟国で50%以上のシェアを有する事業者に対して、他社が請求した場合、他社の乗車券を取り扱うことを義務付ける内容。また、遅延で乗り換えができなかった場合の補償や便宜(次の列車に優先的に乗れるなど)についても定めている。
旅客機に比べて炭素負荷が小さい鉄道への関心は高まっているものの、実際上の障害が大きいこともあって、欧州域内を移動する旅客の鉄道へのシフトはあまり進んでいない。環境NGOのT&Eが2025年に行わせた調査によると、全体で3分の2近くの人が、予約が煩雑であるとの理由を挙げて、鉄道の利用を断念したと回答。航空券の手配と比べて、鉄道の乗車券の手配は平均で70%近く余分に時間がかかることも判明している。乗り継ぎに支障があった場合に航空券の一括購入の場合のような補償が期待できないことも、利用を妨げる要因となっている。規則案は、旅客の利便性と便宜を高めることで、鉄道の利用を後押しするのが狙いだが、鉄道事業者のロビー団体CERは、「ルフトハンザにライアンエアーの航空券の販売を強制するようなもの」で、そのような規則を押し付けられた業界はほかにない、と反発している。
欧州統計機関の集計によると、2024年に欧州連合(EU)域内間の国際航空路線を利用した旅客数は4億人近くに上るが、鉄道ではこれが1億5000万人程度と、かなり差がある。欧州委は、新規則案により、鉄道旅客数が5%増加する効果が得られると試算している。

KSM News and Research