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欧州の実質賃金、3年ぶりに低下

中東紛争に伴うホルムズ海峡封鎖が引き起こしたエネルギーショックが欧州全域で購買力の低下を招いている。欧州連合(EU)の統計機関ユーロスタットが6月2日に発表した集計によれば、ユーロ圏のインフレ率は5月に前年同期比で3.2%上昇した。一方で、欧州中央銀行(ECB)の指標によると、今年の賃金上昇率は2.6%と予測されており、インフレ率を下回っている。
欧州の実質賃金は、インフレショックが起きた2022-23年の2年間で著しく低下して以降、緩慢ながら回復局面にあった。経済協力開発機構(OECD)によると、2025年の7-9月期の時点で、平均実質賃金は2021年末の水準と比較してユーロ圏で2%、フランスでは約1%低い水準まで回復していた。
ところが、米国およびイスラエルが2月28日にイランへの攻撃を開始したことで、購買力は3年ぶりに低下に転じた。ユーロ圏の2026年のインフレ率は、危機前の時点で2%程度と見込まれていたが、3.5%程度になるとみられている。その分、購買力は目減りすることになる。
なお、フランスでは、中東紛争が始まる以前から雇用が低迷していたこともあり、実質賃金の伸びはマイナスになると見込まれる。2026年1-3月期には、失業率が前年同期比で0.7ポイント増の8.1%まで上昇し、従業員による賃金の交渉力が低下している。

KSM News and Research