仏ワイン業界では今夏、猛暑と干ばつの影響により、ブドウの収穫時期がかつてなく前倒しされている。
バール県、ボルドー地方およびブルゴーニュ地方(発泡酒クレマン)、ラングドック地方、ルシヨン地方、シャンパーニュ地方の一部のブドウ畑では収穫が既に開始されており、他の地域でも収穫準備が進められている。仏東部では、シャンパーニュ委員会が収穫開始許可日を8月12日とし、予定日より3日前倒しした。
早期収穫の背景には気候変動の影響がある。収穫時期は、数十年前と比較すると数週間早いが、それを考慮しても2026年は例外的に早い。猛暑に水不足が組み合わさったことで、植物の生育サイクルが加速したと見られる。また、干ばつはブドウの房の成長を抑制する傾向がある。干ばつに適応するために水分が用いられ、実の大きさが小さくなるという。また、気温上昇に伴いブドウの糖度が早く上昇するようになっているが、糖度が高くなりすぎるとアルコール濃度が上昇してしまうため、糖度の監視を密に行う必要性も生じている。ただし、早期収穫や干ばつがワインの品質に影響を与えることはない模様。2025年も早期に収穫が行われたが、高品質のワインが豊富な当たり年となった。8月15日と早期に収穫を開始した1893年もまた、優れたワインを生んだ年として引き合いに出されている。
半面、2026年は、火事の煙によってワインの風味が変質することが懸念されている。仏国内6位のワイン生産地で、最大のロゼワイン生産地でもあるバール県では、ブドウ畑周辺で火災が発生したことで、ワインに煙臭が生じて販売できなくなるリスクが浮上。6000ヘクタール以上の火事が発生した同県グロ・ベシヨン山の付近では、調査に向けて数日前からブドウ果実の採取が行われている。ワイン醸造コンサルタントのプレラ氏は、煙との接触が1-2時間続くと、ブドウの糖分に煙が結合すると説明。煙の風味は、発酵が完了してから判明するという。