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「許可されていない決済」の場合は銀行に被害者への即時返金義務=欧州司法裁判断

欧州司法裁判所は10月15日、決済手段を悪用した詐欺の被害者に対して、銀行はただちに被害額を補償しなければならないとする内容の判断を下した。欧州連合(EU)における判例となる。

欧州司法裁は、ポーランドのPKO BP銀行と顧客の間の係争についてこの判断を下した。2023年に、同行の顧客である女性がフィッシング詐欺の対象となり、3000ズロチ(687ユーロ)を詐取された。偽メールにより銀行を偽装したサイトに誘導され、決済に必要なデータを入力してしまい、それを利用して不正な決済を実行され、金額をだまし取られた。この被害者は、「許可されていない取引」であると主張し、取引銀行であるPKO BPに返金を求めたが、銀行側は、「重大な怠慢」に由来する事案であることを理由に、返金に応じなかった。被害者側がポーランドの裁判所に提訴し、裁判所が欧州司法裁判所に欧州連合(EU)の法令の解釈を示すよう請求していた。

欧州司法裁は、「許可されていない取引」について、「重大な怠慢」を理由として銀行側は返金を拒否することはできないと認定。その上で、銀行側は一旦、返金に応じた上で、その返済を求める訴訟を提起できると指摘した。

この判決は、事実上、「重大な怠慢」があったことの挙証責任を銀行側が負うことになることを示している。例えばフランスにおいて、「許可されていない取引」の場合には、「顧客による不正行為」がある場合を除いて、即時に銀行側が返金に応じる義務があると法令により定められているが、これに応じない銀行は多いという。欧州司法裁の判例は、この点で銀行に対応を促す圧力となりうる。その一方で、銀行員や社長を偽装し、錯誤に陥れて決済を実行させるタイプの詐欺において、「許可されていない取引」と認められるかどうかは微妙で、今回の判例の適用範囲はある程度限定される可能性がある。

KSM News and Research