10月29日と30日の両日、カナダのモントリオールで、カナダと欧州連合(EU)の主要会議が開かれた。協力強化に向けた一連の具体的な取り決めがなされた。
EUカナダの首脳会議は今回で21回目。欧州委員会のフォンデアライエン委員長は先に、カナダを「準加盟国」としてEUに迎える構想を公表。国際情勢の不安定化が加速する中で、カナダと安定した同盟関係を結ぶことに意欲を示していたが、EU加盟国内には慎重論もある。フォンデアライエン委員長は今回の首脳会議においても、「準加盟国」という表現を維持。政治的な擦り合わせを行うために、2027年3月にカナダで協議を行い、6月にはブリュッセルで開かれる欧州理事会にカナダのカーニー首相を招くことを決めた。
今回の首脳会議では、具体的な案件での一連の協力を取り決めた。EUは、中国への依存を軽減する目的で、カナダの地下資源に多くの期待を寄せている。ウランを含めた地下資源の開発における協力を推進するための合意が、欧州投資銀行(EIB)とカナダ政府の間で結ばれた。EUはまた、ロシア産ガスへの依存を断ち切る目的で、米国産LNGの輸入を増やしたが、今度はそうして発生した米国への依存を軽減する目的で、カナダの天然ガスにも期待している。カナダは国内生産の半分程度を自国で消費し、残りのうちかなりの部分(600億立方メートル程度)を米国向けにパイプライン経由で輸出している。EUへの輸出に振り向ける余地はかなりあるとみられているが、そのためには東岸地域に輸出に必要なインフラを整備することが課題になる。両者は、その前提となる十分な需要が確保されることを確認するための共同調査を行うことを決めた。 このほか、学生の交流を図るため、EUの交換留学制度エラスムスの拡大版「エラスムス+」へのカナダの合流も取り決めた。さらに、EUが整えた即時決済システムへのカナダの合流も決まった。米国のカード大手(ビザ、マスターカード)への依存軽減の思惑もにじむ。AI分野でも、カナダの先進的な研究チームに欧州の計算力を提供するなどの協力を決めた。EUの研究開発プログラム「ホライズン」へのカナダの参画強化も予定される。通商面では、電子商取引関係の新合意の交渉が完了したことが発表された。