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フランスの対米輸出、トランプ関税の影響は

仏税関は8月末に、2025年1-6月期にトランプ関税がフランスおよび欧州連合(EU)の対米輸出に及ぼした影響の分析結果を公表した。レゼコー紙が9月13日にその概要を報じた。

トランプ米大統領は、去る4月2日にEU産品に対する追加関税20%を公表。4月9日にこれを90日間の期限で10%に引き下げた後、8月に最終的にほとんどの製品の関税率を15%とした。特別措置として、鉄鋼・アルミニウムの関税率は3月に25%、6月に50%に引き上げられ、自動車および部品は当初から25%とされていた。

2025年5月末の時点で、フランスの対米輸出額合計は前年と比較して5%減少していた。1-6月期に対米輸出額が前年同期比で減少した品目には、医薬品(20%減)や化粧品(12%減)がある。逆に増加した品目としては、高級ブランド品をはじめとする皮革製品(3%増)、飲料(4%増)、電気機器(7%増)、基礎化学品(15%増)、航空機・宇宙機(21%増)などがある。

数字を四半期ごとに見ると、業界別の明暗とその貿易戦略がより鮮明になる。4-6月期ではトランプ関税の影響が最も大きかった鉄鋼・アルミと自動車・部品の対米輸出額が、前年同期比でそれぞれ25%と15%減少した。追加関税率が10%の品目では減少幅が1%に留まった。

2024年末から2025年初頭にかけて、関税引き上げを見越した米国在庫確保の動きが見られた。2024年12月には、ワインの対米輸出が前月比で倍増し、シャンパーニュは60%増を記録した。2025年3月の対米輸出は前月比で、ワインが33%増、シャンパーニュが41%増だった。皮革製品(特に高級ハンドバッグ)については、2025年3月に対米輸出が50%増加した。1-3月期のフランスの対米輸出額合計は、前年同期比で6%増加していた。 米国に高関税率を課された国々が、輸出先を米国以外にシフトする動きも目立ってきた。1-6月期に、フランスの中国とカナダからの輸入額は、前年同期比でそれぞれ7%と13%増加した。メキシコからはターボジェットエンジン用部品の輸入が急増した。1-3月期に平年の15倍、1-6月期では前年同期比で8倍の輸入額を記録した。

KSM News and Research