仏ベンチャー企業Vulkamはこのほど、グルノーブル市近郊ベルスーに工場を開設した。アモルファス金属部品を量産する。
Vulkamは9年前に発足。アモルファス金属の強さを活かして、耐久性などの性能面で優れた部品を製造する技術を開発した。初の量産工場となるベルスー拠点は2600平方メートルで40人が勤務する。同社は2023年に3400万ユーロを調達(1400万ユーロがエクイティ、1500万ユーロが債務、470万ユーロが補助金)。工場開設には1500万ユーロを投資した。
工場に導入の量産ラインは年間200万個の部品を製造できる。段階的に生産ペースを引き上げる。4-12週間の納期で製品を供給することが可能になる。精密部品について金型製造から加工に至る全段階をカバーできるのが強みとなる。アモルファス金属の同社製品は、既存品に対して3倍の疲労強度や耐久性などを達成。原料を3分の1に減らして同等の強度を確保することが可能になり、軽量化や小型化の可能性も開ける。現在の生産水準においては、価格差は20%と大きいが、性能の高さと量産化によるコストダウンで優位をアピールしてゆく。
最大の顧客部門は時計産業で、高品質を志向してコスト増を吸収する意志のある時計産業は格好の顧客となる。欧州への生産還流の動きも追い風になると期待する。航空宇宙産業などの分野にも顧客の裾野を広げることを目指す。