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Look Up Space、SSA(宇宙状況監視)レーダーの運用を年内に開始へ

宇宙ベンチャーの仏Look Up Spaceが年内にSSA(宇宙状況把握)システム用のレーダーの稼働を開始する。南仏ロゼール県内に高セキュリティを確保した拠点を整備する。

同社は2022年に発足。CNES(仏国立宇宙研究センター)でSSA責任者を務めたドラド氏らが立ち上げた。同社は8000万ユーロをBPIフランス(公的投資銀行)などから調達し、きわめて短期間で新レーダー「Sorasys」を開発した。レーダーは25メートル長のアクティブアンテナにより、低軌道(400-1500km)上の10cm内外の物体を把捉できる。開発には、Selha Group(エレクトロニクス)など国内の15社の中小企業が参加した。

同社は今後、フランスの海外県・海外領土に6基のレーダーを展開し、緯度と経度の点で設置場所を分散させることで、地球を取り巻く全空間を把握できる体制を整える計画。44メートル長とより大型の2基を仏領ポリネシアに2026年と2027年に設置。残りは、サンピエールエミクロン、仏領ギアナ、レユニオン島、ニューカレドニアに設置する。2030年までにカバーを完成し、スペースデブリから推進力を備えた宇宙機に至るまで、低軌道上のすべての物体を把握できる体制を整える。また、レーダーからのデータを、他の手段(光学、レーザーなど)からのデータを統合してアルゴリズムにより分析するプラットフォーム「Synapse」も整備される。ソブリンクラウド経由でサービスを提供し、民間部門と軍など政府部門の両方の顧客を獲得することを目指す。

KSM News and Research