仏製薬大手サノフィは11月27日、ノルマンディー地方ルトレ市(セーヌマリティム県)にある工場内に、主力医薬品「デュピクセント(デュピルマブ)」の充填ラインを追加した。5000万ユーロを投資し、生産能力を40%拡大する。
デュピクセントはサノフィの主力医薬品で、アレルギー性疾患治療薬として、またぜんそく治療薬としても認可されている。2024年にはグループ売上高410億ユーロのうち130億ユーロを稼いだ。この7-9月期には初めて売上高が40億ユーロを突破した。
デュピルマブはモノクローナル抗体で、いわゆるバイオ医薬品に分類される。その原薬は、サノフィがベルギー工場で、また同薬を最初に開発した米リジェネロンが米国とアイルランドの工場で製造している。皮下注射薬としての充填は、サノフィのアイルランド工場(ウォーターフォールド)と仏ルトレ工場で行われている。ルトレ工場では、製品の90%を世界の40ヵ国余りに輸出している。充填行程の生産力の強化により、ボトルネックを除去して主力医薬品の成長を押し上げる。ルトレ工場では、さらに6000万ユーロを投資し、2028年に新たな充填ラインを追加する予定で、生産能力は合計で2倍増を達成する。