下院小委員会で予算法案の審議が10月20日に始まる。争点は多く、議会内の力関係も不安定で、審議は難航が予想される。
▽各種税制優遇措置は、予算法案の付帯文書において、総額規模が2025年に918億ユーロに達すると試算されており、その削減が重要な課題として浮上している。特に、企業継承の支援を目的とする通称デュトレイユ税制については、国にとっての年間費用が、従来推計の8億ユーロから40億ユーロへと大幅に上方修正されており、風当りが強まっている。ちなみに、各種税制優遇措置のトップ10は合計で380億ユーロの費用が生じており、デュトレイユ税制もその中に入っている。同じく風当りが強いのが研究税額控除(CIR)で、企業による研究開発投資が対象となっているが、政府は2025年には対象を絞り込むことで4億ユーロ相当の節減を達成している。ルコルニュ政権は、2026年についてはCIRに修正を加えない方針であるという。
▽ルコルニュ内閣が公表したバイオ燃料への課税強化の構想は業界から厳しい非難を浴びている。現在、E85と呼ばれるバイオ燃料は、物品税が1リットル当たり0.1183ユーロと、ガソリンに比べて6分の1の水準に設定されている。このため、小売価格は1リットル当たり70ユーロセントと、ガソリン(SP95)より1ユーロも安い。重量車両向けのB100も、ディーゼル燃料と比べて小売価格が5-10ユーロセント安い。政府の構想では、B100については、1リットル当たりの物品税が12ユーロセントから45ユーロセントに引き上げられる。E85についても段階的に物品税が引き上げられる。これには、バイオ燃料の生産者に加えて、需要家である輸送業者等が強く反発している。