仏保健当局は10月22日、牛などの間で感染が広がっていたシャモンダウイルスについて、世界初となるヒトへの感染例を確認したと発表した。患者は10月初旬にリヨンの医療機関で死亡した。
シャモンダウイルスは、オルソブニヤウイルス属に属し、ヌカカなどの小さな吸血昆虫を介して、主にウシなどの家畜の間で伝染する。1960年代中頃にナイジェリアで最初の感染が見つかって以降、西アフリカ、東アフリカ、南部アフリカ、日本のウシで散発的に感染例が報告されていた。ウシにおける主な症状は急性の下痢、発熱、衰弱、乳量低下であり、長期的には動物の繁殖能力への影響が懸念されている。
ウイルスは、今年7月末頃にフランスを含む欧州で初めて確認され、現在では西ヨーロッパ14ヵ国で感染例が報告されている。フランスでは、52県のウシの間で感染が広まっており、2県ではヒツジ、1県でウマにも感染例が確認されている。仏国立農業・食料・環境研究所(INRAE)は去る8月に、ウイルスの急拡大について、媒介昆虫にとって気候が好条件であることに関連していると説明していた。 今回、ヒトにおける初の感染例となった患者は、仏東部でヌカカを媒介に感染したと見られている。仏当局は、感染者が重度の免疫不全疾患の患者だったことを明かし、現時点で一般市民への衛生上のリスクはないと説明した。一方、リバプールのパンデミック研究所で所長を務める神経学教授のソロモン氏は、新しい感染症を監視する重要性を強調。無症状感染の可能性や、通常の症状、重症化の頻度などは不明だとし、特に脳に影響を及ぼす感染症なのかを注視すべきだと警鐘を鳴らした。