フランス情報メディアのET TOI(エトワ)

フランスと日本をつなぐ

1€=

新規登録

<みなさんのフランスとの出会いを教えて!>
フランス留学についてインタビュー~初めての留学生活、フランスでの体験【前編】

“フランスとの出会い”は人それぞれ。さまざまなきっかけがあり、さまざまな体験があることでしょう。そんな無数にある“フランスとの出会い”のひとつを少しのぞいてみませんか? 現在、フランス・トゥールーズに留学中で、エトワで地方特派員を務める森榮爽(もりえ・さやか)さんに、フランス留学ついてインタビューしました。前後編でご紹介します。

1. フランスとの出会い、留学までの道のり


──大学の交換留学制度を利用し、現在トゥールーズ・ジャン・ジョレス大学で勉学に励む森榮さん。フランスに興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか。

 高校1年生のとき、父とパリへ旅行をしたことが、私のフランスとの出会いでした。厳かにそびえ立つノートルダム大聖堂や美しいエッフェル塔、絵に描いたような街並みにすっかり心を奪われました。クリスマスの時期だったこともあり、賑わうクリスマスマーケットや煌びやかに輝くイルミネーションを前に、「将来は絶対パリに住む!」と父に宣言したのを今でも覚えています。


──お父様とフランス二人旅だなんてすてきですね! フランスに興味を持ち始めたら避けて通れないのが「語学」かと思いますが、フランス語はどのように学び始めたのでしょうか?

 大学生になり、第二外国語で初めてフランス語を勉強しました。それまで英語以外の外国語を学習したことがなく、最初は発音や文法の難しさに驚きました。しかし、授業ではフランス人の先生とほんの少しでも会話ができるだけでうれしく、次第に学習に熱中するように。「いずれは憧れのフランスで勉強したい!」と思い、留学を決意しました。

 第二外国語での履修だったため、授業は週に2回だけ。しかし、フランスだけでなく、フランス語の勉強自体が好きだったこともあり、授業以外の時間を使い、フランス語検定の勉強を軸に学習を進めました。


──森榮さんは大学の交換留学制度を利用していらっしゃるそうですが、この制度はどのようなものなのでしょうか。利用するにはどのようなことが必要だったのでしょうか。特に力を入れたことを教えてください。

 私は、留学先で取得した単位が日本の大学の単位として認められる交換留学を希望しました。応募することを決めてからは、現地の大学が定めた語学の必要条件に満たすよう、フランス語検定の合格を目標に勉強をしました。しかし、私が希望した大学は2人のみの募集でした。私の大学では、交換留学の募集を、学部の枠を超え、大学全体で行っています。そのため、私にとっては、フランス語文学専攻の学生も混じる中での挑戦でした。当然、第二外国語としての授業のみでは必要条件にとどかないため、自宅での学習時間を多くとり、電車の中で単語帳を読むなど、一時期は受験生のような生活をしていました(笑)
 無事に留学が決まってからは、日常会話や実用的なフレーズを覚えるなど、生活に困らないよう、文法以外の勉強に力を入れました。最近はインスタグラムでも、リアルな口語表現や、動画付きで例文を紹介するアカウントも多くあり、学習に役立てていました。


2. 留学生活が始まって



──実際に留学がスタートして、日々どのような生活を送られていますか?

 平日は、大学で授業を受け、昼食は友人たちと学食を利用しています。放課後は、大学の図書館で勉強をしたり、所属しているオーケストラサークルの練習に参加したり、街を散歩したりと、毎日違うことをしながら、忙しいながらも充実した日々を過ごしています。

 また、週に1度、オーケストラサークルで出会った女性に、日本語を教えるアルバイトをしています。「日本に興味があり、日本語を教えてほしい」との非常にうれしいご要望をいただき、一回1時間半ほどで日本語のレッスンをしています。

 土日は友人と観光や散歩をしたり、映画を見に行ったり、平日には行けないような、少し遠いところにある大型ショッピングセンターへ行くなどして過ごしています。

 先日は『くるみ割り人形』のバレエ公演を鑑賞し、オーケストラの生演奏と美しい踊りに魅了されてきました。他にも、フランス人の友人が「お寿司を作ってみたい」とのことで、お寿司パーティーを開くなど、たくさんの人と交流し、毎度刺激的な週末を送っています。留学中の数少ない土日を満喫しようと、月曜日から既に週末の予定を考える日々です。

 私の通っている大学は日本語学科があるため、日本に興味を持ってくれている学生が一定数います。私の友人のほとんども日本語学科の学生です。仲良くなって会話をすることで、文化交流だけではなく、お互いの語学力向上に繋げることができます。


──大学の授業はどのようなカリキュラムですか?

 授業は一コマ120分で、週7コマ。ヒアリング、スピーキング、ライティングの授業があり、さまざまな国の学生と共に学んでいます。

 どの授業も、クラスメイトと話し合う機会が多く設けられています。例えば、スピーキングでは、学生同士がペアになり、一方が店員役、もう一方がお客さん役、というように、与えられた一つのシチュエーションに沿って会話する課題に取り組むなど、実践的な会話表現を学びます。


──フランス語力が抜群にアップしそうですね! 授業の雰囲気はどうですか?

 質問があるとその場で積極的に先生に尋ねるなど、授業の雰囲気は日本と全く異なります。日本のように静かに授業を受けるのも集中できてよいですが、その場で疑問を解決でき、さらに他の生徒の疑問点を確認できる点は、日本にはない大きなメリットだと感じます。

 また、授業中の飲み食いや離席が自由!(笑)日本では授業中にお手洗いに行くのさえ、先生の許可が必要なため、初めはこのスタイルにとても驚きました。


──トゥールーズでの住まいはどのようにされたのでしょうか?

 私は学校指定の学生寮で生活をしています。一人部屋で、キッチン・冷蔵庫付き。少し狭いですが、収納や勉強スペースも充実しているため、快適に暮らしています。そして、寮には現地のフランス人学生のほか、世界各地の留学生が多く居住しているため、このように、たくさんの人と交流できる現在の寮や大学に非常に満足しています。


最後に、森榮さんの留学生活のとある一日をご紹介します。


*インタビュー後編では、フランスでの生活、トゥールーズの街の魅力などについて詳しくうかがっています。お楽しみに!

この記事の執筆者

森榮爽(もりえ さやか)

トゥールーズで留学中の大学3年生。パリ旅行をきっかけにフランスに興味を持つようになり、大学からフランス語学習を開始。昨年9月から大学の交換留学制度を利用して渡仏。バラ色の街トゥールーズの美しさに魅了されながら、刺激的な毎日を送っています。趣味はフルートで、留学先の大学でオーケストラサークルに所属。

関連記事

おすすめ記事