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ラグビーワールドカップまであと少し!
ラグビー愛の強いトゥールーザン

トゥールーズにあるラグビーファンが集うバー(編集部撮影)。


9月8日から10月28日にかけて行われるラグビーワールドカップ。開催国となったフランスでは、トゥールーズ、ボルドー、リール、リヨン、マルセイユ、ナント、ニース、サン=テティエンヌ、サン=ドニの各都市で試合が行われる予定です。特にトゥールーズはもともとラグビーが大人気の街。今年は世界中のラグビーファンが集い、盛り上がること間違いなしです! そこで今回はトゥールーズ在住のコロデルあいさんに、ワールドカップを目前に控えた現地の様子とトゥールーズ観光の見どころについてうかがいました。

□ 本連載の過去の記事はこちら↓
バラ色の街トゥールーズへようこそ! 建築から見る街の魅力
中世にタイムトリップ 城塞都市カルカッソンヌの秘密


 2023年9月8日開幕のラグビーワールドカップに向けて、既に、フランス全土で盛り上がりをみせています!  その中でもトゥールーザン Toulousain(トゥールーズ Toulouseに住む人)は、他の街に比べてより熱狂的です。というのも、トゥールーズのラグビーチームであるスタッド・トゥルーザン Stade Toulousainは、かなりの強豪チームで、今年の6月に行われたフランスチャンピオンカップ Champions Cup de Franceでは優勝をしました。その決勝戦の日は、トゥールーズの街はラグビーで染まり、大いに盛り上がりをみせていました!

 そして、今回の大会では、日本のチームはトゥールーズがキャンプ地となっています。日本代表チームが滞在するトゥールーズとは、どういうところなのか? 観光スポットなどをご紹介します。


フランスで、ラグビーは大人気スポーツ!

 フランスでスポーツといえば、サッカーの次にくるのがラグビーとテニスで、ラグビーはとても身近なスポーツです。今回のラグビーワールドカップ開催についても、フランス国民の90%以上が支持しているというほど、ラグビー愛があつく、今大会はとても華やかな大会になると言われています。

 世界から訪れるファンにこの大会を楽しんでもらうために、フランスの各都市の中心部では、「ラグビーヴィレッジ Villages Rugby」というエリアが準備されます。ここでは、ファンがこのワールドカップを体験できるように試合のライブ中継やスポーツイベントなどが予定されており、入場無料で、4万人を収容できるほどの広々したエリアになっています。トゥールーズでは、ガロンヌ川沿いに設置される予定で、ラグビー愛の強いトゥールーザンがいるトゥールーズのラグビーヴィレッジは、他の街よりも、さらに盛り上がること間違いなしです!

たくさんのお店で、スタッド・トゥールーザンの旗を掲げて応援!
たくさんのお店で、スタッド・トゥールーザンの旗を掲げて応援!


トゥールーズってどんな街?

 日本の一戦目は、チリを相手に、9月10日(日)13時(フランス時間)から、トゥールーズにあるスタジアムで予定されています。

 トゥールーズは、なかなか日本では知られていない街ですが、フランスの南西部に位置しており、“バラ色の街”ということで有名です。街の中心部は、古くから残っている赤レンガの建物でできていて、フランスの他の都市とは少し違った雰囲気があります。特に、夕陽に照らされたピンク色に輝くトゥールーズの街は、大変美しいです。

 ここトゥールーズの名物料理は、カスレ cassoulet・鴨肉・トゥールーズのソーセージ saucisse de Toulouse。カスレとは、鴨肉や豚肉のソーセージなどと白インゲン豆を鴨の油と一緒に陶器に入れて、オーブンでじっくり焼いた料理です。オーブン料理なので冬によく食べる料理なのですが、レストランでは一年中食べられるので、ぜひ味わってみてください。ただとってもカロリーが高いので、日本人の体では一人一つは食べきれないかも。シェアするのもお勧めです。

 また、鴨肉もここの名物です。南西フランスでは、新鮮な鴨肉がとれるので、よく食べられています。いろいろな鴨肉の料理があり、マグレ・ド・カナール magret de canardといわれるフォアグラのために飼育された鴨のお肉のステーキや、鴨のコンフィ confit de canard、ジェジエ gésierという鴨の砂肝など、フランス料理のレストランに入れば、必ずといっていいほど鴨肉の料理があるので、ぜひ試してみてくださいね。

 トゥールーズのソーセージとは、豚肉の極太ソーセージで、ぐるぐると円形に巻かれた状態で売られているのが特徴的です。マッシュポテトと一緒に食べることが多いです。


厳選お勧め観光ルート

 トゥールーズの街は、あまり大きくないので、主要観光地は1日で周れてしまいます。ここでは、徒歩で周れるお勧め観光ルートをご紹介します。

1. キャピトル広場 place du Capitole
 観光の最初は、トゥールーズの中心であるキャピトル Capitole から始めましょう。キャピトルのメトロの駅を出ると、すぐに観光案内所があります。そこでトゥールーズの地図をもらえます。イラスト付きでかわいいマップです。キャピトルには、市庁舎があり、建物の中ですてきな絵画と建物を鑑賞することができます。(キャピトル広場・市庁舎の詳しい内容は、こちらの記事から。)

2. サン・セルナン大聖堂 basilique Saint-Sernin
 キャピトルからタウール通り rue de Taurを進むと、ユネスコの世界遺産のサン・セルナン大聖堂が見えてきます。ここは絶対に外せない観光地です。フランス最大のロマネスク様式の教会でロマネスク様式は、柱がどっしりとしていて重厚感のあるのが特徴ですが、この教会は、ロマネスク様式にもかかわらず天井が高いのが珍しいポイントです。当時とても難しい技術だったそうです。

3. ジャコバン修道院 couvent des Jacobins
 この教会は、他の教会とはちょっと変わっていて、内部の支柱がヤシの木のようになっています。当時の建築家は、キリスト教で勝利や栄光、永遠の命などを象徴するヤシの木を取り入れることで、特別な空間を演出しようと考えたそうです。

4. サン・ピエール広場 place Saint-Pierre
 ガロンヌ川沿いにあるサン・ピエール広場です。この広場の周りにはたくさんのバーがあり、夜になると大変賑わいます。ワールドカップ期間中も、この広場は大盛り上がりになること間違いなしです。ただ、スリには十分気を付けてください。トゥールーズは、パリと比べると治安はいいですが、夜の賑わっている場所は危険ですので、十分な注意が必要です。

5. ドラード広場 place de la Daurade
 サン・ピエール広場から、ガロンヌ川沿いを散歩しながら、ドラード広場に向かいましょう。ドラード広場には芝生があり、いつも人々がガロンヌ川を眺めながらゆっくりしている憩いの場です。そしてこの広場に面している、ノートルダム・ラ・ドラード大聖堂もお勧めです。黒人のマリアがいる珍しい教会です。

6. アセザ館 hôtel d’Assézat
 内装・外装ともに美しいルネサンス宮殿建築のアセザ館。建物を見るだけでも一見の価値があります。建物内は美術館で、ルネサンス時代から20世紀初めまでのヨーロッパの芸術作品が所蔵されています。(アセザ館の詳しい内容は、こちらの記事から。) ※現在リノベーション中のため閉館。開館状況はオフィシャルサイト(https://www.fondation-bemberg.fr/)にて要確認。


中心部以外のお勧め観光地

・ホール・ドゥ・ラ・マシーン Halle de La Machine
『ハウルの動く城』のような木でできたロボットアートを見学することができます。
https://www.halledelamachine.fr/

・カルカッソンヌ Carcassonne
 トゥールーズから車や公共交通機関で1時間ほど離れたところにある城郭都市です。ユネスコ世界遺産に登録されており中世の雰囲気を味わうことができます。(詳しくは、こちらの記事で紹介しています。)

・エアバス Airbus工場見学ツアー
 トゥールーズはエアバスの飛行機をつくっています。飛行機の工場見学は、なかなかできない体験で面白いと思いますよ。有料で、事前予約が必要です。フランス語か英語の対応。
https://www.manatour.fr/airbus


 日本代表選手が滞在するトゥールーズの街について、少し身近に感じていただけましたでしょうか。日本からフランスまで応援に来られる方も、日本で応援される方も、今までにないほど盛り上がると言われているワールドカップフランス大会を存分に楽しみましょう!

この記事の執筆者

コロデル あい COLLODEL Ai

トゥールーズ在住・千葉県出身。日本の一級建築士。たまたま出会った現在の旦那が、南西フランス出身のフランス人であったことをきっかけに、南西フランスの暮らしの魅力を知る。東京でサラリーマンをしていたが、COVID-19をきっかけに今後の働き方や暮らし方を見つめ直し、渡仏を決定。現在は、仏語を学びながら建築の仕事を続けている。

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