「トゥッサン Toussaint」という言葉を耳にしたことがありますか? フランスの法定休日である11月1日を指し、この前後期間は学校がバカンスの時期に入ります。トゥッサンはよく“日本のお盆のようなもの”とも言われています。ここでは、まもなくやってくるトゥッサンについて紹介します。
すべての聖人を祝う日
トゥッサンとは、日本語で「諸聖人の日」と言い、11月1日のカトリックにおける祝祭日のことを指します。カトリックでは、1年365日それぞれに守護聖人を祝う日が定められていますが、この11月1日はそれらすべての聖人を祝う日とされており、教会ではミサが行われ、敬虔なカトリック教徒が集います。
トゥッサンの歴史
「諸聖人の日」は7世紀にはすでにあったそうですが、11月1日と定められたのは8世紀のこと。教皇グレゴリウス3世(在位731〜741)が、諸聖人の日を11月1日とし、ローマのサン・ピエトロ大聖堂にすべての聖人を讃える礼拝堂を奉献しました。その後、835年頃に教皇グレゴリウス4世(在位827〜844)がキリスト教全体でこの日を祝うように命じたそうです。
現在、フランスではトゥッサンは法定休日とされています。学校ではこの前後の期間が学校休暇となり、およそ2週間のバカンスとなります。
お墓参りの習慣
フランスでは、この11月1日にお墓参りをする習慣があります。そのため、「トゥッサンは日本のお盆のようなもの」とよく言われますが、「諸聖人の日」になぜお墓参りをするのでしょうか。実のところ、その翌日の11月2日がカトリックで定められた「死者の日」で、“愛する人の墓地に花を捧げる日”とされているのですが、フランスでは11月1日が休日のため、人々は1日にお墓参りをするようになったと言われているのです。
ところで、フランスでお墓参りをするときに、一般に持参する花をご存じですか? 実は「菊
chrysanthème」なんです! 日本と似ていますね。11月1日のフランスの花屋では、たくさんの菊の花が並べられているかもしれませんね。
参考URL:
CNEWS – TOUSSAINT : POURQUOI CONFOND-ON TOUJOURS CETTE FÊTE AVEC LE JOUR DES MORTS ?