
春から秋にかけては、ゴルフを楽しむのに絶好のシーズンです。冬の寒さがやわらぎ、木々や芝が鮮やかさを増す春、青空の下でのびのびとプレーできる夏、そして落ち着いた空気の中で美しい景色を楽しめる秋まで、それぞれの季節に異なる趣きがあります。
ここではフランスでのゴルフ体験の魅力について紹介します。
フランスのゴルフ場の魅力は、何よりもその開放感にあります。広々とした自然の中にレイアウトされたコースは、日本とはまた異なるスケール感があり、プレーそのものはもちろん、景色や空気も含めて贅沢な時間を味わえます。歴史ある名門クラブで格式ある雰囲気に触れるもよし、気軽に予約できるパブリックコースで週末のリフレッシュを楽しむもよし。フランスでは、自分のスタイルに合わせて多彩なゴルフ体験ができるのも大きな魅力です。
ゴルフ好きの方だけでなく、これから始めてみたい方にとっても、フランスのゴルフ場は新たな発見に満ちた場所。美しい景観の中で心地よく体を動かしながら、フランスならではのゆったりとした時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。
フランスのゴルフの歴史
実はフランスは、ヨーロッパ大陸の中でもゴルフの歴史が非常に深い国のひとつです。フランスゴルフ連盟によると、2025年のライセンス保有者数は446,547人に達し、競技人口も拡大を続けています。
フランスのゴルフ史を語るうえで外せないのが、Pau Golf Club 1856です。ポーに滞在していた英国人コミュニティの影響で1856年に創設され、ヨーロッパ大陸最古のゴルフクラブとして広く知られています。
その後、フランスにおけるゴルフの組織化が進み、1912年に現在のフランスゴルフ連盟の前身が創設されました。連盟の公式ヒストリーでも、1912年が大きな起点として位置づけられています。
近年のフランスゴルフを象徴する出来事としては、Le Golf National(ゴルフ場)の竣工が挙げられます。ここはフランスゴルフ連盟のフラッグシップ施設であり、世界的な大会会場としても知られるコースです。フランスのゴルフが「伝統あるスポーツ」から「国際的な舞台を担うスポーツ」へ発展してきた流れを象徴する存在です。


日本とは少し違う、フランスのゴルフ場スタイル
プレースタイル
日本のゴルフに慣れている方がフランスでまず感じるのは、プレースタイルがかなりシンプルだということです。多くのコースが、ティータイムを予約して回る「グリーンフィー制」です。
「パブリック」「プライベート」の差がはっきりしており、クラブ会員でなくても予約してグリーンフィーを払えば比較的気軽に入れるコースがある一方、会員制を基本としメンバー同伴や限られた期間しか外部プレーヤーを受け入れない名門クラブもあります。
また、日本のように「午前9ホール+昼食+午後9ホール」が定型化しているわけではありません。フランスでは18ホールを通して回るスタイルが一般的で、食事は「必ず途中でセットになっているもの」ではなく、プレー前後にクラブハウスで各自利用する感覚に近いです。9ホールコースを持つクラブでは、9ホールだけ予約したり、同じ日に2回回ったりという柔軟な運用も見られます。
エチケットや服装規定
日本と同じようにフランスのゴルフ場もエチケットや服装規定が比較的重要視されます。ただし、それは堅苦しい儀礼というより、皆が快適に回るための実用的なルールという位置づけです。一般的にフランスで好まれるのは、襟付きのポロシャツやゴルフ用トップス、動きやすいパンツやスカート、そしてゴルフシューズといった、機能的で上品なスタイル。フランスゴルフ連盟もエチケットは固い決め事ではなく、コース上で気持ちよく過ごすための基本だと説明しています。
ただし、名門クラブでは、プレー中だけでなくクラブハウス内の服装や帽子の扱いにも注意が必要な場合があります。ゴルフ場内でジーンズ、Tシャツ、襟なしシャツを避けることや、屋内でキャップやバイザー、帽子を着用しないことが示されている例もあります。こうした点は、特にプライベート色の強いクラブで意識しておくと安心です。
会員制か否か
もうひとつの特徴は、「パブリック」「プライベート」の差がはっきりしていることです。フランスには、グリーンフィーを払えば比較的気軽に入れるコースがある一方で、会員制を基本とし、メンバー同伴や限られた期間しか外部プレーヤーを受け入れない名門クラブもあります。

プレーは歩く楽しさも、カートの開放感も
日本ではゴルフ場によってはカート利用が前提となっていることもありますが、フランスでは今もなお、徒歩でラウンドするスタイルが一般的です。そのため、カートが必要な場合は追加で借りる形式が多く、予約時に別途申し込むのが一般的です。
ゴルフカートを借りた場合、日本のゴルフ場のようにカート道のみを走行するのではなく、グリーン周辺を除きフェアウェイやラフを含めて芝の上を走行できるコースも多いのが特徴です。そのぶん移動がしやすく、広々としたコースをよりダイレクトに楽しめるのも、フランスならではの魅力といえるでしょう。
身軽で楽しむ、クラブレンタル事情
クラブレンタルについては、観光客や出張中のプレーヤーにも対応しているゴルフ場も多く、とくにUゴルフやBluegreenグループなど大手グループのコースやリゾート系ゴルフ場では、比較的利用しやすい傾向があります。旅行中にフルセットを持参しなくても、必要なものを現地で借りながら気軽にラウンドを楽しめるのは、フランスのゴルフの魅力のひとつといえるでしょう。身軽に出かけて、必要なものを必要に応じて借りるスタイルとも相性がよく、旅行者にも親しみやすい環境が整っています。予約の際には、カートの有無、クラブレンタルの可否、料金などを事前に確認しておくと、当日よりスムーズに楽しむことができます。
料金例(2026年):
Le Golf National では、ゴルフカート、電動トロリー、クラブセットのレンタル料金が明示されており、ゴルフカートは50ユーロ、電動トロリーは25ユーロ、フルセットは50ユーロ となっています。なお、カート利用は天候条件によって制限される場合があります。
一度は訪れたい、フランスの名コース
パブリック、プライベート別にご紹介します。
フランスでゴルフをするなら、まずは「そのコースがビジターを受け入れているか」を確認するのが第一歩です。特に名門クラブは、時期や曜日によって外部プレー可否が大きく異なります。
また、予約時にはライセンスの有無、ハンディキャップ条件、ドレスコードを事前に見ておくと安心です。コースによっては、一定のインデックス以上でないと難しいチャンピオンコースに入れない場合もあります。
パブリック・ビジター向けコース
Le Golf National(Guyancourt / Île-de-France)
フランスでまず名前が挙がる代表的なゴルフ場。国際大会の開催地としても知られ、フランスゴルフ連盟の中核施設でもあります。Albatros、Aigle、Oiselet の3コースを備え、ビジター向けの予約や料金案内も充実。パリ近郊からアクセスしやすいのも大きな魅力です。
Golf Bluegreen Saint-Quentin-en-Yvelines(Trappes / Yvelines)
パリ中心部から約40分、サン=カンタン湖自然保護区に隣接する広大な敷地に広がる、イル・ド・フランス有数の大型ゴルフ場。初心者から経験者まで幅広く楽しめるのが魅力です。パリ近郊からアクセスしやすく予約もしやすいため、「まずフランスで一度プレーしてみたい」 という方にも向いています。
Golf d’Apremont(Apremont / Oise)
シャンティイ近郊の緑豊かな環境に広がる18ホールコースのアップルモン。英国風の端正なレイアウトと落ち着いた雰囲気が魅力で、自然の中でゆったりとしたラウンドを楽しめます。かつて日本人投資家が関わった歴史の名残も感じられ、クラブハウスではカツカレーが親しまれているのもユニークなポイントです。
Évian Resort Golf Club(Évian-les-Bains / Haute-Savoie)
レマン湖を見下ろす絶景で知られる名コース。世界最高峰の女子ゴルフ大会「The Amundi Evian Championship」の開催地として知られ、ヨーロッパ大陸で唯一の女子メジャー大会の舞台でもあります。リゾート型の華やかさと国際大会の格式を兼ね備えた、フランスを代表するゴルフデスティネーションです。
セミプライベート的に楽しめる名門
Golf de Chantilly(Oise)
1909年開場の名門。週末は会員中心ですが、外部向け案内では平日はビジター利用が可能とされています。伝統ある雰囲気とパリ近郊からの行きやすさを兼ね備えたコースとして人気です。
Golf de Saint-Germain(Saint-Germain-en-Laye)
サン=ジェルマンの森の歴史ある名門コース。1922年に英国の名設計家 Harry S. Colt によって設計され自然の地形を生かした美しいレイアウトで知られています。パリからアクセスしやすい格式あるプライベートクラブでありつつ、平日はビジター利用も可能なため、フランスの名門コースを体験してみたい方にも注目の一軒です。
プライベートの名門クラブ
Golf de Saint-Cloud(Garches ほか / Île-de-France)
1913年開場のプライベートクラブ。公式サイトでもprivate clubと明記されており、通常は会員とそのゲスト向けが基本です。パリ近郊にありながら、歴史・伝統・競技実績を兼ね備えた名門として知られています。
Golf de Morfontaine(Oise)
フランス屈指の超名門。公式サイトには、1987年に会員がクラブの所有権を引き継いだことが記されており、強い会員制文化を持つクラブであることがうかがえます。世界的にも高く評価される、美しさと格式を兼ねた特別な存在です。

フランスでゴルフを楽しむために
フランスのゴルフは、単なるスポーツではなく、自然・景観・歴史・社交文化が一体となった体験です。日本のような「一日フルパッケージ型」とは少し違い、より自由で、コースごとの個性が際立つのがフランス流。この春夏は、ぜひお気に入りの一コースを見つけて、フランスらしいゴルフ時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。












