春のイベントのひとつといえば、イースター(復活祭)。フランス語ではパック Pâquesと言い、春分後の最初の満月の次の日曜日がこれに当たります。そしてフランスでは翌月曜日はLundi de Pâquesと呼ばれる祝日となります。今年2025年の祝日は、4月21日(月)です。
フランスでは、3月に入る頃からさまざまなお店でイースター用のチョコレートが並べられます。でも、イースターとはいったいどんなものなのでしょうか。ここでは、フランスのイースターについてお話しします。
イースターの起源は?
イースターはもともとキリスト教徒の祝日で、イエス・キリストが磔刑(たっけい)に処された3日後の日曜日に復活したことを記念するものでした。この祝日の歴史は古く、ローマ帝国のコンスタンティヌス帝(272〜337)まで遡ります。コンスタンティヌス帝は、イエス・キリストの復活を祝うため、l’Octave de Pâques という8日間にわたる宗教行事を定めました。Octaveはラテン語で「8番目」を意味するoctavusが語源。8日の間、厳粛なミサが行われ、その最終日が日曜日に当たるように設定されていました。
こうして誕生したキリスト教の伝統行事イースターでしたが、1802年にナポレオンによって終焉を迎えます。ナポレオンは、当時50あった祝日を減らすことに決め、この8日間にわたるイースターの祝日も内1日だけを残して廃止としました。こうして残った祝日が現在の法定休日、Lundi de Pâquesです。
イースターにはどんなことをするの?
“イースターの日曜日の3日前になると、フランス中の鐘たちはローマへ祝福を受けに行く。
そして鐘たちは祝福を受けたあと、その帰路である日曜日に、フランス中で子供たちにウサギや卵、鐘、鶏といったさまざまな形をしたチョコレートを贈る”。
これは、古くから大人たちが子供たちに語り伝えてきたイースターの物語です。これらが元になり、いま現在も子供たちにとって楽しみなイベントとなっているのが、「卵探しla chasse aux œufs」です! イースター当日、子供たちはカゴを手に取り、庭に隠されたチョコレートを探しに行くのです。チョコレートは卵やウサギ、雌鶏、魚などの形をしており、これらはいずれもキリスト教で「復活」「繁栄」「再生」のシンボルとされています。
そのほか、この日は多くの家庭で家族や親戚が集まります。そこでは卵料理を食べたり、子羊のもも肉のロースト gigot d’agneauを食べたりします。子羊は「再生」や「よみがえり」のシンボルです。地方によっては固ゆで卵入りの豪華なパテを作るなどの郷土料理まであるそうです。
もともとは宗教行事であったイースターですが、フランスでは現在このように、子供たち、そして家族のための楽しいイベントとしての側面が大きく、誰もが気軽に楽しむことができます。
「卵探し」などの特別イベントに出かけてみよう!
実はこのイースターの「卵探し」については、家庭内で楽しむだけのものではなく、お城や農場、美術館などユニークな場所でのイベントも数多く開催されています。子供だけのものから大人も参加できるものまでさまざま。そのほか、祝日にあわせた家族のイベントやチョコレート好きのためのイベントなど、この時期だけのイベントも各種開催されます。ご興味のある方はぜひチェックしてみてください。
<イースターイベント情報>
Sortir Paris
2025年の復活祭、パリとイル・ド・フランス地方では何が行われる?お出かけのアイデア
https://www.sortiraparis.com/ja/nyusu/isuta/guides/325352-2025nianno-fu-huo-ji-paritoiru-do-furansu-de-fangdeha-hega-xingwareru-o-chukakenoaidea
参考サイト:
Ça m’intéresse – C’est quoi le lundi de Pâques ?
https://www.caminteresse.fr/culture/cest-quoi-le-lundi-de-paques-137351/
Ohlala French Course – Comment fête-t-on Pâques en France ?
https://www.ohlalafrenchcourse.fr/blog/article/comment-fete-t-on-paques-en-france